超現代語訳
川上村の吉野林業を学ぶ
これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。
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2021.1.9
■「吉野林業全書」に学ぶ (77) 材木地車(じぐるま)出しの方法
杉・桧その他の材木を坂道から運搬するには、この地車(松車)を使用するのが便利である。
この地車は松の木口直径一尺五、六寸(約45~48㎝)のもので、厚さ三寸五分(約10.5㎝)の輪をつくる。その中央に直径二寸(約6㎝)の丸い穴を開け車輪とする。
この両輪に長さ二尺七、八寸(約81~84㎝)、幅三寸(約9㎝)、厚さ二寸(約6㎝)の樫の横木を差し車軸とする。子の横木に一尺二寸(約36㎝)間隔で二か所に直径一寸二分(約3.6㎝)の丸い穴を開け、長さ五尺(約1m50㎝)の樫の棒を差し通して、その両端をフジツタで結び着ける。
これに材木を積めば大きいものは1~3本、小さいもので10本余りを積むことができる。そしてこの材木の先に綱を付けて、これを肩に掛けて引く。ただし、傾斜の強いところでは荷の先の方を少し重くして、先棒が上がってしまわないようにすること。
この仕事の一人あたりの作業量は、車一台に対して重量百貫(約375㎏)以内である。またこの地車は道路を破損しがちであるから、時々、道路の修繕が必要になることに注意しなければならない。
参照:「吉野林業全書」
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作業の便利さや快適さを追求していくのは、どんな時代でも同じなのですが、道具や設備が全て「木」を使って出来上がっていくことがうらやましいところです。
「道路を破損するから修繕せよ」は、大変ですが・・・。