超現代語訳
川上村の吉野林業を学ぶ
これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。
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2020.12.30
■「吉野林業全書」に学ぶ (76) 材木釣り持ち出しの方法②
釣り持ち出しに必要な器具について、小天秤は長さ三尺の三寸口(長さ約90㎝木口径約9㎝)の杉丸太に、横棒を差し込むためのフジの輪を両木口に着ける。中天秤は五尺の三寸五分口(長さ約150㎝木口径約10.5㎝)、大天秤は七尺の四寸口(長さ約210㎝木口径約12㎝)で、いずれも小天秤同様にフジの輪を着ける。
六人持ちの場合は、小天秤一本に横棒を差して四人が担ぎ、残りの二人は丸太に直接綱を掛けて担ぐ。八人持ちの場合は、小天秤二本を使い一本に対して四人ずつにして持つ。
十人持ちは、中天秤一本と小天秤一本、十六人持ちは大天秤二本と小天秤四本を使う。二十人持ちの時は十六人持ちと同じように天秤を用いるが、外側に胴釣りと言ってその木の胴に直接綱を掛けて、横棒を差し二人ずつ四人で持つ。胴釣りの四人については、二十人の中で最も屈強な者が担当する。
参照:「吉野林業全書」
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しかし、こういった人海戦術に「活気ある林業」を感じたところで、少し考えただけでも非常に危険な作業であるため、安全性を確保するには現在では絶対に不可能な方法ですね。
林業に限らず、効率や安全を重視すればするほど、人間が関わっていく部分は減っていくのが現代です。急速な進歩についていけていないのでしょうが、バランス感覚も取りづらい難しい時代に感じます。