超現代語訳
川上村の吉野林業を学ぶ
これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。
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2020.11.21
■「吉野林業全書」に学ぶ (63) 醤油榑・柾榑・メッコ・早榑・縁板等の製造方法
※「榑(くれ)」=「板」のこと
醤油榑
長さ約33㎝、幅約3~12㎝、厚み約1.35㎝に加工した板で、赤身を使うが節がなければ外側の両端が白くてもよい。
柾榑
長さ約42~54㎝、幅約6~12㎝、厚み1.5㎝に加工した柾目の板で、木目が整っていて赤身の節のないものがよい。
メッコ
長さ約30㎝、幅約6~12㎝、厚み1.5㎝に加工した柾目の板で、小桶の底板に使う。
早榑
長さ約69㎝、幅約6~12㎝、厚み0.9㎝に加工した板で、杉辺材の白い部分で製造したもの。
縁板(へりいた)
長さ約96㎝、幅約4.5㎝、厚み0.45㎝に加工したもので、杉の木皮の白い部分で製造する。刀の刃のように一方を薄く仕上げる。
榑類や、その他の杉楊枝、杉箸、桧曲物、飯筒大小(弁当入れ)、杓、桧杓子などの多くは、樽丸を製造した後の端材を拾って製造する。
この内、杉楊枝(杉箸)は下市町、杓子や曲物類は天川村洞川で多く製造される。(いずれも奈良県吉野地方です。)
参照:「吉野林業全書」
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国産割箸は間伐材の端材を余すことなく使うことでエコ?自然破壊?なんて議論もありますが、長い時間を掛けて大切に育てられた木材を余すことなく使い切ることは、もちろんエコなお話です。
ただ、その端材利用製品によって地元産業が潤うようでなければ、エコとか林業の保護再生には繋がりません。
山にお金が戻る(持続可能な)ビジネスモデルの確立(再生)こそが、こういった議論の明確な答えとなります。