超現代語訳
川上村の吉野林業を学ぶ
これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。
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2020.10.24
■「吉野林業全書」に学ぶ (55) 杉の間(けん)割りの方法とその用途
樹齢100年以上の良材を長さ六尺五寸(約2m)に切り、末口直径二尺(約60㎝)以上のものについては、蜜柑(みかん)割りといって方円の木を木口から十文字に割る。
その割り方は普通の斧で木口の真ん中に切り目を入れて、これに長さ五、六寸(約15~18㎝)、幅三寸(約9㎝)のカシの木の矢をはめる。
そして、これを4、5回打つと木目を通して丁度鉈(ナタ)で削ったように、また断面は磨いたように気持ちよく割れる。これをさらに2個に割ると三角形のもの4個となる。
これらは酒桶、天井柾板、額縁、襖縁等、いわゆる杉の最上等品を使うところに用いられる。
このような良材は、適地適木の結果と完璧な撫育(ぶいく)管理によって得られるものである。尚、植栽本数が疎植過ぎた、あるいは密にし過ぎた等、植栽方法が間違っていたとすると、たとえ土壌が良く撫育が完璧であっても決して良材を得ることはできない。
これまでに解説した方法にしたがってよく注意すれば、良材を生み出すことはそれ程困難ではない。
参照:「吉野林業全書」
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現在ではもちろん、2mの丸太を蜜柑割りにするとすれば製材機を使いますが、解説のように簡単に割れたのでしょうか。(また詳しい方に聞いてみたいと思います。)
身近で杮(こけら)割りを見ているので、短いものであれば気持ちよく割れるのは想像が付くのですが。