超現代語訳
川上村の吉野林業を学ぶ
これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。
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2020.10.3
■「吉野林業全書」に学ぶ (50) 杉材の木質種類とその用途 ②
【鬼肌木(おにはだ)】
常に烈風を受けるような場所で成育したもので、風害のため外皮が荒れて鬼肌と言われる。木質は当然粗悪で、多くは雑木の中に混成するか一本立ちの孤立木として成育したものである。この木は下等用材で樽丸用にはできない。
【針木(はり)】
これは土地の良否に関係なくその木の性質であって、外皮を突き抜け表面に針を植えたように現れてくるのでこの名がある。樽丸製造用にも使えず一般にも使用できない。
【膨張木】
風害のため変化を来すものと、その木の性質によって生じるものがある。土壌に関係なく一種の病気である。したがって樽丸製造には使用されない。
【真腐木(まぐされ)】
表土が浅く成育に必要な地力に乏しかったり、根先が岩盤につかえてそのために腐りが生じ、それが幹にまで達して芯腐りとなるものである。空洞木になる可能性もある。腐りが小さいものは樽丸用に使用する。
【空洞木(くうどう)】
芯腐りの木が年数を重ねるにつれてその腐りが広がり、ついに空洞(ガラット)となったものである。この木の辺材部の良い部分は板や樽丸に使用することもできる。
【蜂腐木(はちぐされ)】
数百年生の老樹によくあるもので、この木は用途も少なく、たまに茶の間等の額板に使用されるぐらいである。
【芯香腐木(しんこうぐされ)】
表土が浅く赤土で乾燥したやせた土地に生じる。または、上等な木質でも数百年生の老樹に多い。ただこの木の上質な部分は、天井板等に使われ高価な品となる。
参照:「吉野林業全書」
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今となっては、木材に求められる価値は、木目や色合いの美しさよりも健康や癒しを得られる素材としての価値が高いのだと思います。
もちろん見せ方や表現を変えれば、美しさが際立つものとは思いますが・・・。
ニーズをしっかり掴み、使いたい、使いやすい吉野杉・吉野桧を創造しなければなりません。