超現代語訳
川上村の吉野林業を学ぶ
これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。
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2020.9.21
■「吉野林業全書」に学ぶ (44) 杉・桧間伐の方法 ①
杉・桧の間伐は植付け後14~5年後に初めて行うが、100年までに13回行う。
13回の間伐とは、吉野の造林技術の特色は密植造林で、成長につれて弱度の間伐を繰り返す(多間伐)。そして、森林の密度管理を計画的に進めていくのである。
これは、生産の主目標が樽丸用材であり(※「吉野林業全書」発刊当時の明治31年時点での内容です)、年輪幅が均一で細かなことが要求されるために、密植してその成長を抑制し、成長に従って極めて弱度の間伐を4~5年ないし8~9年おきに行って通直完満材を生産するためである。
そして間伐の季節は春彼岸(3月20日頃)から30日以内として、鉈(ナタ)を用いて行う。
初伐から三番間伐または四番間伐までの小径木は、磨き丸太とするので表面のごく美しいことが必要である。
伐り倒したものは手近なところに集めて(棚伐りという)、立木2本に3m弱の間隔を空けて2本の横木を結び付けて、これに集材した丸太を1本ずつ皮を剥ぎ、10本あるいは20本と横に並べて3週間ほど乾かしておく。
間伐したもので曲がったものや太りすぎたもの、または桧のように磨き丸太に適さないものは、30日以上乾燥させて普通の丸太材として利用する。
参照:「吉野林業全書」
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道具や気象条件は変わっても、撫育と言われる吉野林業の仕立ては大きく変わっていません。ですが、樽丸、磨き丸太だけをとってみても、大きな需要は失われ、収穫される材木の利用方法・利用価値・販路は激変しています。
新たな需要創造を求めて歴史にもヒントを得ながら、吉野杉・吉野桧づくしの毎日です。