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吉野かわかみ社中の活動を中心に
旬の情報をレポートします。

2020.8.27

川上村産吉野杉を使った実験中です。

本日は、「京都大学 生存圏研究所」にお邪魔しておりました。
京都大学生存圏研究所
奈良県川上村ご出身の中川貴文先生が、「川上村産吉野杉」を使った、軸組構法耐力壁のせん断試験を進めて頂いており、試験の様子を見学させて頂くことができました。
軸組構法耐力壁のせん断試験2
ごく簡単にご説明しますと、用意した「川上村産吉野杉」の横架材、柱材、土台を、住宅用耐力壁に見立てた試験体に組み立てて頂き、大きな地震を想定した力を加え、どれくらい耐えることができるかといった実験です。
 
柱材はE70、E90、E110と3種類のヤング係数を揃え、それぞれを比較しています。
軸組構法耐力壁のせん断試験
この実験で得られたデータは、中川先生が開発された、倒壊解析ソフト「Wallstat(ウォールスタット)」に反映され、誰にでも見てわかるようにアニメーション化されます。住宅新築計画中であっても、間取りが決まっていれば、「川上村産吉野杉」の構造材が、どのように力を発揮してくれるかがわかるようになります。
軸組構法耐力壁のせん断試験3
また、数値さえ揃っていれば、その他の材料との強さ比較を行うことも可能です。
 
吉野式造林法で育てられて、木目の詰まった吉野杉は、見た目の美しさだけでなく、構造材としても強いといった話もあります。
 
この手の話はある程度の数値は存在しますが、どうもぼんやりしています。それが可視化されるというのですから、とても画期的な実験です。
 
また、今回はもちろん「川上村産吉野杉」のデータ取りを行っておりますが、実際のところ、川上村産の柱材(正角)適寸原木は、ほとんど出荷されていません。
 
極論ですが、ヘリコプターによる出材コストと、市場価格相場が噛み合わず、お金にならないので捨てられるわけです。
 
それなら、「川上村産吉野杉」の強さが「見える化」されることで、一気に、爆発的にというわけにもいかないでしょうが、少しずつでも需要が喚起され、その現状が解消されていってほしいと考えているのです。
 
これからまだ分析を進めてもらうことになりますが、そういった願いを共有し、全面的にご協力頂いている、中川先生には本当に感謝しております。
 
時間は要しますが、しっかり「カタチ」にしてまいりますので、これからもどうぞ宜しくお願い致します。

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