超現代語訳
川上村の吉野林業を学ぶ
これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。
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2020.8.1
■「吉野林業全書」に学ぶ (26) 移植後の杉苗木の除草と施肥
移植後の杉苗について、根が付かないままに施肥すると、かえって枯損するおそれがあるのですぐに肥料を施してはならない。
移植後に10日以上も降雨がなければ、その際は清水を散布する程度で、20日~30日経過して根付いた時に除草し肥料を施すのである。
肥料は畑三坪に対して、水肥一荷に油粕を三合ずつの割合で混ぜて施す。
(※一荷 = 天秤棒の両端にかけて、一人で肩に担えるだけの二つの桶の量 = 約60ℓ~移植前の苗木には畑一坪に対してこの量を撒いています。)
施肥のタイミングや時期は、梅雨の雨の多い時期を見計らって芽を伸長させるために2~3回十分に行い、後は秋分までに2~3回行って止める。
秋分以降に施肥すると、冬芽が出てそれが寒風にあおられて、かえって心芽を枯らしてしまうことになるため注意すべきである。
肥料で避けなければならないのは生の人尿であって、これをやってしまうと奥芽ばかりが伸びて苗木のひげ根が消えてしまう。良苗も悪苗になってしまうから注意しなければならない。
除草について、雑草が生える度に抜かなければならないのであるが1年に6~7回は行う。ただ、施肥の前に除草を行うと苗木と苗木の間の土が柔らかくなって、肥料がよく浸透し長持ちするので良い。
桧苗の除草と施肥は杉苗と同じでよろしい。
参照:「吉野林業全書」
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種から苗の育成をずいぶん長くたどってきましたが、次回からいよいよ山への植付けが始まります。
生い立ちをたどるほどに、現在の気候変動などの環境問題が心配にはなるのですが、そこは現代のテクノロジーがカバーしてくれるものだと少し横に置いておいて・・・。
何よりもこうやって育てられてきた吉野杉・吉野桧が、100年、200年経過して吉野の森にそびえ立っています。一本一本を見る目も変わり、より一層愛着も増すばかりです。