超現代語訳
川上村の吉野林業を学ぶ
これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。
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2020.7.18
■「吉野林業全書」に学ぶ (20) 杉・桧種子播き付けと苗木の仕立て
種播きには、まず苗床を準備する。
苗床は、土質の軽い傾斜の畑を選定して、丁寧に耕すこと。
耕した畑一面に、水肥と、害虫駆除のための水で薄めた鶏糞を散布して日光にさらす。
種を播くタイミングになれば、雑草や小石を取り除き、地床(地面より低くつくった苗床)を均し、畑の大きさに応じて、幅約90センチの畝(ウネ)を作る。
但し、ひとつの畝ごとに、約30センチの通路を作る。これは、雨水を流したり、施肥や除草のための通路である。
苗床は、平鍬(ひらくわ)の背で軽く打って、床固めを行うとよい。
とにかく、床苗は凹凸なくフラットにすることが重要である。
参照:「吉野林業全書」
写真:森と水の源流館展示品「平鍬」
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現在行っている「川上産優良種苗生産事業」では、ここからの実生苗の生産は、隣県の三重県の専門業者さんに委託しています。
ここにも人で不足の問題が・・ということもありますが、川上村で野菜を育てておられる村民さんの嘆きを聞くと、鹿の食害でどうにもならない状況だろうなと思われます。
なかなか教科書通りいかない現実は寂しい限りですが、状況に合わせ修正していくしかありません。
「あきらめる」だけはあってはならない選択です。