超現代語訳
川上村の吉野林業を学ぶ
これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。
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2020.6.28
■「吉野林業全書」に学ぶ (18) 杉・桧種子の精選
さて、種子は水洗いしなければならない。
その方法について、まずは三斗(54リットル)入る桶に七分目、すなわち二斗一升(37.8リットル)の水を入れ、一斗(18リットル)の種子を一昼夜漬けておく。
翌日、浮き上がってきた種子は水と共に流し去り、沈んでいる種子だけを籠に移し取る。その水気が少なくなった時にむしろ(ござ)に移し、天日に当てて完全に乾燥させる。
乾燥させた種子は篩(ふるい)に2回かけて、大きすぎるものや小さすぎるものを取り除き、大きさの揃った中位のものだけを精選しなければならない。
その理由は、大粒すぎる種子は成長が早すぎて小さすぎるものは遅すぎる。苗木が生え揃わないということは他の苗の成長を妨害することになるから、一様に揃った苗に成長させなければならないのである。
※原文の種子の量は尺貫法で表現されています。
一勺(18㎖) < 一合(180㎖) < 一升(1.8ℓ) < 一斗(18ℓ)
※下記表にまとめた原文の種子の重さは尺貫法の匁(もんめ)で表現されていますが、一匁=3.75gから換算してg標記としました。
参照:「吉野林業全書」
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種子が水に浮くか浮かないか、水に一晩つけておくといったことは、発芽率には関係なく昔の人の迷信だとも言われるのですが、はてさて、昔の人の説明だから迷信なのか、それとも最後のほうに記述がある揃った苗に成長させるためなのか。
おそらく後者だとしておきます。