超現代語訳
川上村の吉野林業を学ぶ
これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。
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2020.6.21
■「吉野林業全書」に学ぶ (16) 杉・桧種子の乾燥の仕方
母樹から切り取った枝葉を運搬や乾燥をしやすくするために、種房から二尺(約60センチ)に切り揃え、鱗求(イガ)=球果(実)だけ残して葉を取り去る。
そして、種房のある穂先と切り口を交互にして束ねて、天秤で担ぐか背負って家に持ち帰る。
持ち帰ったものを杉と桧に分類して、雨露を避けて日当たりの良い場所にむしろ(藁やイグサなどの草で編んだ簡素な敷物~ござ)を敷いて適当に積み重ねる。
積み重ねた両側には二本ずつ杭を立てて、積んだ山が崩れないようにする。
20~25日後、鱗求(イガ)の口が開いて種子の落ちかけた時が採取の良い時期である。
参照:「吉野林業全書」
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写真の背負子は、奈良県川上村の森と水の源流館に展示されているものですが、「おいねこ」とか「おいこ」と呼んでいたそうです。
川上村の現在の人口は780世帯 1345人(2020年5月31日現在)です。
最も多かったのは明治40年頃から昭和40年頃までで、約8000人の人が暮らしていました。(ピークは昭和10年の8444人)
到底この現状では子供たちが並んで、「おいねこ」や「天秤」で運搬を手伝う光景を見ることはできないのでしょうが、「吉野林業全書」に記されているような丁寧な仕事にはやはり人が足りません。
「田舎で憧れのスローライフ」「田舎で自分探し」が「林業がしたい!」に変えれた時が吉野林業再生のひとつです。