超現代語訳
川上村の吉野林業を学ぶ
これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。
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2022.4.2
■「吉野林業と優良材」に学ぶ (34) 吉野林業と優良材の形成⑦
-林業制度と優良材の形成-
吉野地方には借地林制度、あるいは山守制度等の諸制度があり、吉野林業の発展と今日なお関わり合いを持っている。
まず、借地林制度が吉野材の材質形成にどのように関与してきたかというところであるが、江戸時代中期に、村外の商業資本もしくは大和平野の地主が余剰資本の再投資の対象として、吉野川上流地帯の川上村付近の山林を、立木一代限りで借地をして植林し林業経営を行った。
その際に資本主である村外地主は、村外遠隔地にあって直接山林を管理できないため、山林所在地の有力者に山林の管理を委託し支配する方法を取った。これがいわゆる山守制度である。
今日の吉野林業は、借地林制度とこれを維持運営する山守制度、そして吉野において有力な商品であった樽丸生産等の相関関係によって発展してきたと見られている。
参照:「吉野林業と優良材 (岩水豊 著)」
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村外地主と山守の何百年と代々続く信頼関係に、安定的な需要(出口)が加わることで発展の相関関係を築くことができますが、バランスが崩れてしまってからは随分時間が経過してしまっています。
吉野林業再生を目指すということは、この発展の相関関係を取り戻すことに尽きるわけで、需要供給の安定を急ぎますが、トレサビリティ確保は厳格に行い「川上村産材」にこだわらなければなりません。