超現代語訳
川上村の吉野林業を学ぶ
これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。
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2021.2.23
■「吉野林業全書」に学ぶ (92) 支流での筏流しの方法①
支流で水量の少ない川に筏を流すには、まずその筏編みの場所に溜堰(たまりせき・鉄砲堰ともいう)を設置する。
川の中に材木で枠を組みその中に石を入れるのであるが、川幅の広狭によって数個作り、これに長い木を横に架けて乱杭を数十本打つ。そこにカヤまたはこれに類するものを置き杉皮で被い、根元を土で固めた細い棒で挟んで、水が漏れないようにする。
ただし、筏の通る所は七、八尺(約2.1~2.4m)の間を開けて水底には横木を伏せ、その根元には杭を打ち石を詰めた上に土を敷く。
この筏の通る水路を閉じて水を溜めるには、水路の水上より三尺余り(約90㎝)高い所へ横木を渡し、これに長さ四尺余り(約1.2m)、幅七、八寸(約21~24㎝)、厚さ一寸(約3㎝)の板を10枚程縦に並べて水を溜める。この縦板の木口には小さな穴を開け、フジの輪を付け、この輪に長いフジを通して繋いでおく。支流の延長に伴い、別の場所に堰を作る場合も同一の方法である。
参照:「吉野林業全書」
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運送スピードや効率を考えれば、水路はとても魅力的なものですが、今現在の支流の状態などを見ていると、川浚えから始まる整備は相当大変なものだっただろうなと想像できます。
道具や資材もほぼ現地調達と考えると、当時の人々は本当に逞しいです。