超現代語訳
川上村の吉野林業を学ぶ
これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。
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2020.10.3
■「吉野林業全書」に学ぶ (48) 杉・桧伐材の小切り・節打ちの方法
伐採した杉・桧の小径木は約1か月、大径木は3ヶ月を経過した後、木の大小に応じて鋸で挽く。
その木の大小や長短を見計らい、二、三間、または四、五間と用途によって挽く長さを決める。それには、※「長さ七尺の一間尺(けんじゃく)」を使用して鋸で切る。
小径木は鉈(ナタ)で元口(根元に近い切り口)を整え節を取り去る。
大径木は元株の出っ張りを鉈で切り除き、元口は斧で切り口を整える。節のある末木は斧で節を切って丸太の形に造形する。
木口の両端の角も切り取るのであるが、この節打ちをする時は、小径木ならば小鳶口、大径木ならば大鳶口を使う。
そしてこの丸太の両口に、必ず所有者の名前のある刻印を打つことを忘れてはならない。
※「長さ七尺の一間尺」:木製で長さ2.12mのものを言う。
当時の吉野木材産業組合規約の中で、
一、丸太は種類に関せず総て一間は七尺とす
二、角材は種類に関せず総て一間は七尺五寸とす
と規定されていた。
参照:「吉野林業全書」
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大小長短に関わらず、出材されていた時期がとてもうらやましいです。
原木価格相場も大きく下落し、ヘリコプター集材が中心となった現在では、出材コストに見合わない(お金にならない)木は廃棄となってしまいます。
そんなもったいない!何とかして!というのはごもっともなのですが、赤字を垂れ流してまで引っ張り出しても、売れずに放置されるか、バイオマス燃料として利用されるだけとなります。
それならば、需要を作り出すか、山づくりを進め出荷コストを下げるかという、ただただ単純な解決方法にたどり着くわけですが、その単純でありながら一筋縄では行かない問題解決に様々なチャレンジを行っています。