超現代語訳
川上村の吉野林業を学ぶ
これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。
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2020.9.19
■「吉野林業全書」に学ぶ (43) 山守制度
山林の財産を確実なものとするためには、その村または一区ごとに山守を置いて、常に山林を巡視しその保護と管理を任せることである。
山守の報酬は、皆伐の時にその材木売却代金の100分の2以上、100分の5以下を給与とすることを通例とした。(間伐の際は、幾分の報酬となる。)
山守は山林の手入れや間伐の時期の見極めは細心の注意を払う。また盗木被害についても、しっかり監視を行いこれを未然に防ぐ。
道路筋の山林には防火線を切り開いて火災に備え、万一山林火災が発生した場合には、人夫を指揮して現場に駆け付け消火に尽力して大事に至らぬようにするなど、全て山林所有者に代わって保護監守を行うのである。
また山主の都合で立木のまま売買をする場合であっても、売渡証券に調印をして、そのまま山守継続の約束をすることが慣例となっている。
参照:「吉野林業全書」
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このように「山守制度」について、「吉野林業全書」には簡単な記述があるのみです。
江戸時代から現代まで続く吉野林業の重要な制度であるため、いずれしっかりと整理したいと思います。
「この吉野の山も村の皆の持ち物やったとしたら、今頃、禿山になっとったかもしらん」ということも聞くのですが、資本と経営の分離は、山林資源が何百年も守られ継承されることに繋がりました。