超現代語訳
川上村の吉野林業を学ぶ
これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。
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2020.6.13
■「吉野林業全書」に学ぶ (13) 杉・桧種子採取の用具 ②a
種子採取できる枝が、ある程度低い位置であれば一本梯子(むかで梯子)を使う。
一本梯子は長さ三、四間(5.46~7.28メートル)、末口二寸(木のこずえ側、細い方の直径が約6センチ)の丸太を使う。
この丸太に一尺五寸(約57センチ)ごとに、縦一寸(約3センチ)横幅五分(約1.5センチ)の穴を開け、長さ一尺(約30センチ)の横木を差し込む。
最上部一か所だけ三寸(約9センチ)間隔で、二本を十文字型にはめ込む。
この「むかで型」の梯子を木の根元に立て、上中下の三か所を綱で縛って固定して登り、種子採取を行う枝に乗り移る。
参照:「吉野林業全書」
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一般的にはあまり見ませんが、この形の梯子は現代でもアルミ製となって使われています。
(写真は現代の枝打ち作業)
種子採取の道具製作の設計まで事細かに記載されていて、すごいものだなと思う一方、アルミ製梯子や脚立の様にホームセンターに買いに行ける時代ではないので当たり前ですね。
仕事道具から生活用品まで地元の木がたくさん使われていました。進化する現代の研究は、「木を使う=建築用材」という固定観念的な現状を覆し、またたくさん木が消費される時代も近いかもしれません。