超現代語訳
川上村の吉野林業を学ぶ
これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。
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2020.6.6
■「吉野林業全書」に学ぶ (10) 杉・桧種子採取の季節
杉・桧の種子をとる季節は、10月初旬または、秋の土用(10月20日頃)前後がよい。
しかし、土地の気候の寒暖によって早晩の差があるから、母樹のちょうど良い時期を見定めて採取することが大切である。
(スギの球果)
10月初旬になると、種房は黄ばんで赤い筋ができて口を開けそうになる。そこからしばらくすると、実が充分に熟した状態となる。
(ヒノキの球果)
熟しすぎて口を開けると、地面に落ちて実が散らかるので、その状況判断が非常に重要である。
「吉野林業全書」では時期は「二十四節気」で表現されます。
【寒露】:10月初旬(10月8日頃)
参照:「吉野林業全書」
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時を経て道具や木材用途、搬出方法などは大きく変化していますが、「吉野林業全書」は吉野林業の教科書に変わりありません。
しかもこの書が書かれたのが明治31年(1898年)で、およそ120年前です。現在、原木市場では樹齢100年生前後が中心に取引されていますから、今まさに使っている吉野杉、吉野桧がどのように育てられたのかを知ることにもなります。