超現代語訳
川上村の吉野林業を学ぶ
これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。
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2020.5.31
■「吉野林業全書」に学ぶ (9) 大台ケ原山と吉野川沿岸
大台ケ原山は吉野の東にあって(当時の)大和、紀伊、伊勢の三ヶ国にまたがる大山である。面積は東西三里、南北四里余り、四千八百余町歩である。(1里≒3.9㎞ 1町歩=3,000坪)
山中にはさまざまな樹木がうっそうと茂り、山上に平坦なところがある。
いくつかの川は水清く絶景である。特に有名な「三条の滝」は、東の滝が高さ四百尺、中の滝が八百尺、西の滝が六百尺以上(100尺≒30m)のもので、三つの滝の水は合流して東の川に入り、これは支流を合せて北山村を通って熊野灘に注ぐ。
また、南を見渡せば、熊野浦から太平洋が視界に入り数百の船舶が一望できる。
山頂には陸軍測量用の三角点が設定され、その他の珍しくすぐれた風景はとても文章に書き表すことができない。嗚呼、この絶景にして何と素晴らしい場所であろうか。
これを万国公園に紹介すべきだという意見も過言ではない。ここを発見したのは松浦武四郎で、彼は後年の発展を見ることなくこの世を去られたが、明治二十二年に顕彰碑が建てられた。
近年、古川嵩が大台ケ原山の雄大さを世に広めようと長年に渡って奔走し、賛同者の巨額の寄付金によって荘厳な「大台教本殿」が造営された。その後、本殿周辺にいくつかの建築がなされて、数千人が登山できるようになった。
吉野川は大台ケ原が水源で、川上村を貫流し、いくつもの支流と合流しながら、和歌山県で紀の川となり和歌山港に入る。
参照:「吉野林業全書」
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現在では山全体が特別天然記念物指定となり、ユネスコパークにも登録されている大台ヶ原山が、「吉野林業全書」にもこのように紹介されています。
大台ヶ原ドライブウェイの開通で手軽に訪れることのできる山となりましたが、文章の感嘆ぶりからも当時はまだ秘境の絶景といった感じだったのでしょうか。
さて、皆様、大台ケ原へお越しの際は、ぜひ「ホテル杉の湯」をご利用ください!