超現代語訳
川上村の吉野林業を学ぶ
これからの時代に活かせることを、
川上村と吉野林業の歴史に学びます。
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2020.1.2
■「川上村史 通史編」に学ぶ (4) 吉野林業と千利休
奈良県川上村で人工造林が始まってから約100年後の近世初期に、吉野林業のさらなる発展に大きな影響を与えたことがあります。
桧の大柱を主体として格式ばって豪壮な書院造から、節があって丸みのある杉の小径材等を活用して、そこに風雅や面白味を見出し数寄屋造への建築様式の転換です。当時の需要拡大による、天然林資源の全国的な枯渇という背景の中で、千利休という強力なカリスマが先駆けとなって、現代の和風建築の源流を作り出したわけですね。
数寄屋造の頂点と言われるのが、桂離宮 (元和初年1615年頃建立)で、『吉野林業全書』でも「慶長年間 (1596年~1615年) 畏くも後水尾天皇御宇京都桂離宮御造営の際多くの吉野杉檜材を用ひられしと聞伝ふ」とあります。
吉野林業地帯の中世末からの先駆的な造林の成果が現れています。『密植』『多間伐』『長伐期』といった吉野林業の全面的な展開はもう少し先の話です。
参照:「川上村史 通史編」林業経済編第一章
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資源状況の変化やデザイン・建築様式の変化・・・またその波に乗れた吉野林業ですが、現在、未来においてもチャンスは必ず潜んでいるはず。しかしながら、そこに携わることのできる「ヒト」のチカラがとても重要なことです。