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2019.8.17
スギの文化
西洋の「石の文化」に対して、日本が独自の「木の文化」を誇ってきたというなら、それは「スギの文化」であったからというべきであろう。
ひとつにはスギが「日本人の始まり」の時に存在し、日本人の文化のあけぼのに貢献し、少々の利用伐採には耐え、後には植栽である程度の資源存続ができるような優れた更新特性を持っていたこと。
もうひとつは、樹木から木材へ、木材から棒(柱や梁桁)の他に板を作り出したこと。
割って板のとれる樹木はそう多くはない。
小さくし、薄く割った「コケラ板」を規則正しく重ねて広げていくだけで、大面積の屋根が作れるということ。
ただし、日本人はいつまでも優雅な「スギの文化」の中におれなかった。
近大発展のあと、板はラワンベニヤ板に交代、杉の柾の屋根も、桶樽も、高瀬舟も珍しいものに、電柱もコンクリートにかわってしまった。
遠山富太郎著「杉のきた道~日本人の暮しを支えて~」抜粋
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それでもスギは日本の杉で、日本はスギの日本です。
現代ニーズに沿った使われ方、使い方を創造し続け、かつて、筏運搬などの水運の発展が、最大消費地「大阪」と結んだように、新たなサプライチェーン構築を目指すことが使命であります。
固定観念や無関心、無理解が利用活性化を消極的にしないように、様々なチャレンジを行ってまいります。